腰痛施術でどうしても伝えたい3つのこと②
2022年03月6日

腰痛②負荷を管理する
30秒で要点
- ペーシングで休憩と活動を計画し、同じ姿勢を続けないことが回復を助けます。
- 運動は段階的に負荷を上げることが大切です。痛みゼロ〜微痛の範囲で進めます。
- 翌日の反応が強いときは、負荷の上げ幅を一段階戻します。
- 仕事や家事、スポーツには個別の復帰設計が必要です。当院が評価から計画まで伴走します。
公開:2022-03-06/最終更新:2025-09-29
1.なぜ「負荷を管理」するのか
腰痛は痛みだけでなく、不安や避け行動が重なることで長引くことがあります。適切な強度で動きを保ち、少しずつできる範囲を広げることで、筋力や柔軟性、自己効力感が回復していきます。過度な安静は避けつつ、計画的に負荷を整えることが重要です。
2.ペーシングの基本
- 時間で区切る:六十分ごとに立ち上がり、二〜三分の歩行や背伸びを入れます。
- タスクを分割:掃除や買い物は小分けにして、途中で休憩を挟みます。
- 痛みの物差し:活動中とその翌日に痛みが二〜三/十以内であれば続行、四以上が続く場合は強度を一段階下げます。
3.段階的に上げる目安
週間プラン例
- 週1:一日合計二十〜三十分のやさしい歩行と、骨盤の前後傾、股関節の軽い屈伸を行います。
- 週2:歩行を四十〜五十分に増やし、体幹の等尺性エクササイズを十〜十五回×二セット行います。
- 週3:歩行六十分、ヒンジ動作練習やスクワットも追加します。ひねりや前屈は痛みの範囲内で行います。
- 週4:総負荷を前週比一〇〜二〇%の範囲で増やします。翌日の反応が強い場合は前週メニューに戻します。
運動の種類や回数は体調に合わせて微調整します。フォームが不安なときは、当院で安全に確認しながら進めます。
4.悪化させない生活動作のコツ
- 座位:臀部の奥まで座り、背もたれに軽くもたれます。膝と股関節は九十度前後に保ちます。
- 持ち上げ:荷物は身体に近づけ、膝と股関節を曲げて持ち上げ、ひねり動作を避けます。
- 寝姿勢:横向きで膝の間にクッション、仰向けは膝下にクッションを入れて腰の反りを和らげます。
- 職場の工夫:繰り返し前屈や長時間座位が多い場合は、作業高さの調整や頻回の休憩を取り入れます。
5.受診の目安
足のしびれや脱力、排尿排便の異常、発熱や強い腫れ、夜間痛が続く場合、外傷後の悪化、二週間以上改善が乏しい場合は医療機関での評価をおすすめします。必要に応じて当院から紹介状をご用意します。
6.当院のサポート体制
- 評価:姿勢、可動域、体幹安定性、股関節の柔軟性、動作パターンを丁寧にチェックします。
- 施術:ハイボルテージ施術、超音波、手技、必要に応じてテーピングを併用します。
- 運動指導:痛みゼロ〜微痛の範囲での可動訓練と体幹・股関節エクササイズを段階的に実施します。
- 復帰設計:仕事や家事、スポーツへ段階的に復帰できるよう個別にプランニングします。必要時は「楽トレ」もご提案します。
7.関連ページ〈内部リンク〉
参考文献・一次情報
- 腰痛診療ガイドライン2019(日本整形外科学会・日本腰痛学会)
- NICE NG59「Low back pain and sciatica」推奨事項
- WHO「慢性原発性腰痛の非外科的管理ガイドライン」
- 厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」
内容は一般情報であり、個別の診断や治療は医療機関でご相談ください。







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