肘内障 子供が急に肘を動かさなくなった!!
2021年11月17日

子どもが腕を動かさない?それは肘内障(橈骨頭亜脱臼)かも
30秒で要点
- 1〜4歳に多い肘内障は, 手を引っ張った直後などに起こる橈骨頭の亜脱臼
- 腫れや青あざが少ないのに腕をぶら下げて動かさない/回外できないのが典型
- 整復は医療者が安全に実施するのが基本。危険サインや再発, 不安があれば受診(当院は評価と連携, 必要時は紹介状をご用意)
肘内障とは?(やさしい定義)
小児の肘で, 橈骨頭(とうこつとう)を巻く輪状靭帯から骨がずれてしまう状態です。長軸方向の急な牽引(手をつないで引き上げる, ぶら下げる など)で起こりやすく, 年齢は1〜4歳がピーク。多くは整復後にすぐ手を使えるようになります。{index=1}
- 機序:手首/前腕を回内位で牽引 → 橈骨頭がわずかに逸脱して痛くて動かせない
- 年齢:5〜6歳以上では稀(成長で骨形状が変わるため)
- 再発:繰り返すことがあるが, 成長とともに起きにくくなる
みられる症状(元記事の要点を整理)
- 痛い腕をだらんと下げたまま(軽度屈曲位・回内位)で保持する
- 腫れ/変形が目立たないのに, 触ると嫌がる・回外できない
- 受傷の前に手を引っ張った/持ち上げた/ぶら下げたなどのエピソードがあることが多い
家庭での注意(してよいこと/避けたいこと)
- まず安静にし, 無理に動かさない
- 抱き上げる/服を着替えさせる時は痛い腕をぶらさず支える
- 自己流の整復は避ける(似た症状で骨折/脱臼が隠れることがあるため)
- 予防:腕を引っ張って持ち上げない/ぶら下げない(兄弟姉妹との遊び含む)
当院でできること
- 評価:受傷状況, 姿勢, 触診, 可動域を確認し, 肘内障の臨床的特徴を評価(必要時は医療機関で画像検査)
- ケア:痛みを和らげる保護的対応, 生活場面での再発予防アドバイス
- 連携:危険サイン(腫れ/発熱/強い圧痛/外傷直後の激痛/神経症状など)や整復困難, 再発を繰り返す場合は紹介状を作成し小児整形外科/整形外科へ
対応院:北久里浜本院・衣笠院。アクセス・受付時間はこちら。
受診の目安(危険サイン)
- 明らかな腫れや変形, 皮下出血がある(骨折などの可能性)
- 強い痛みで触れない/体重をかけられない・しびれ/蒼白などの神経血管症状
- 整復後もすぐに使えない/痛みが強い, または繰り返す
- 6歳以上で同様の症状を初めて発症(他原因の可能性)
上記に当てはまる場合は, まず医療機関での評価をおすすめします。当院から紹介状をご用意可能です。
よくある質問
- Q. 整復したらすぐ使えるようになりますか?
- A. 多くは整復直後〜数分で自発的に手を使えるようになります。例外的に痛みや恐怖で動かしにくい場合もあります。
- Q. くり返しますか?
- A. 幼児期は再発があり得ます。成長とともに起きにくくなります。腕を引っ張らないなど予防でリスクを下げられます。
関連ページ(院内サイト)
外部リンク(一次情報・公的解説)
参考文献(一次情報)
- HealthyChildren(AAP). Nursemaid’s Elbow. https://www.healthychildren.org/…
- Royal Berkshire NHS. Pulled or nursemaid’s elbow(Dec 2023). PDF
- Patient.info(Doctor). Radial Head Subluxation. patient.info
- StatPearls. Nursemaid Elbow(Point of Care). statpearls.com















