交通事故施術費の打ち切りの際のポイント②
2022年11月4日
交通事故施術費の打ち切りの際のポイント②
要点(実務の進め方)
- ①(基礎編)で整理した「理由・根拠・残額」を踏まえ、文面で記録を残すことから始めます。
- 主治医の所見(疼痛・可動域・ADL)を依頼文で整え、必要なら被害者請求へ進む準備をします。
- 不服がある場合は、情報提供・異議申立て・公的ADRの順で検討します。
1. 進め方の全体像(1〜2週間スケジュール)
- Day1:保険会社の打ち切り理由を文面で再確認(送付依頼)。
- Day1〜3:主治医へ面談・意見書依頼(疼痛・可動域・生活影響・治療計画)。
- Day3〜7:回答案を作成し、継続治療の医学的必要性を添えて提出。
- Day7〜14:必要書類を揃え被害者請求の下準備。見通しによりADRの相談も併行。
2. そのまま使える文面テンプレ(コピペ可)
A. 保険会社あて:打ち切り通知への回答例
件名:治療費打ち切り通知への回答(氏名/事故日) 〇〇損害保険株式会社 ご担当者様 平素よりお世話になっております。被害者の[氏名]です。 貴社からの治療費打ち切りのご連絡([日付])について、下記の通り回答いたします。 1)現在の症状:疼痛スケール[0-10]=[ ]、可動域[ ]、日常生活への影響[例:家事・通勤・就労] 2)主治医見解:[診療科・医療機関名・医師名]より、継続治療の必要性(計画と見通し)の説明を受けています。 3)お願い:貴社ご判断の根拠資料(症状固定の判断時点等)の写しをご提示ください。 4)今後の方針:主治医の指示に従って通院継続し、必要に応じて被害者請求も検討します。 以上、何卒よろしくお願い申し上げます。 [氏名・連絡先・事故番号]
※ 保険会社には、支払基準や手続きの概要、異議申立て手続等の情報提供が義務付けられており、根拠資料の開示請求は合理性があります。 国土交通省
B. 主治医あて:意見書・診療情報提供の依頼文
件名:診療情報提供(意見書)のお願い(氏名/事故日) [医療機関名][診療科][医師名]先生 いつも診療いただきありがとうございます。交通事故後の治療継続について 保険会社から打ち切りの連絡があり、下記の項目について所見のご記載をお願いできますでしょうか。 ・現在の症状(疼痛・しびれ等)と該当部位/可動域/筋力 ・ADL・就労への影響(家事・育児も含め) ・推奨される治療計画と通院目安/見通し(週何回、何週間等) ・症状固定の判断目安(現時点では到達しているか否か) ・生活上の留意点(装具・セルフケア・運動制限 等) お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。 [氏名・連絡先・診察券番号]
C. 被害者請求の書類照会(損保窓口あて)
件名:被害者請求に関する必要書類の確認(氏名/事故日) 〇〇損害保険株式会社 自賠責ご担当者様 被害者請求(自賠法16条)を検討しており、必要書類・様式の最新版をご教示ください。 現在把握している書類は、請求書、交通事故証明書、事故発生状況報告書、診断書・診療報酬明細、 通院証明、休業損害関連資料、領収書等です。相違があればご指示をお願いします。 [氏名・連絡先・事故番号]
※ 提出書類や様式は公式ページの最新案内を参照してください。 国土交通省
3. チェックリスト:抜け漏れを防ぐ
- 連絡は書面化:メール・書面で残し、電話は日付・担当者・要旨をメモ。
- 主治医所見:疼痛・可動域・ADL・治療計画・症状固定の目安が明記されているか。
- 被害者請求の準備:請求書、事故証明、診断書・診療明細、領収書、通院証明、休業損害資料。
- 支払基準の理解:傷害の積極損害・休業損害・慰謝料の考え方。
- 不服時の動き:情報提供→異議申立て→公的ADR(紛争処理センター/自賠責紛争処理機構)。
4. ADR窓口(無料〜低廉)と使い分け
- 交通事故紛争処理センター:弁護士による相談・和解あっせん・審査(全国拠点あり)。
- 自賠責保険・共済紛争処理機構:自賠責の支払い紛争に特化。申請書・流れを公開。
- 国交省「不服時の手続」:情報提供・異議申立ての流れを確認。
5. よくある疑問
「自由診療の費用はどこまで対象になりますか?」
必要かつ妥当な実費が認められます。詳細は支払基準・実施要領をご確認ください。
「まず何から始めればいいですか?」
①(基礎編)で根拠の把握と主治医相談から始め、次に本記事のテンプレで書面化しましょう。必要なら被害者請求やADRを検討します。
シリーズ案内(内部リンク)
横須賀市の整骨院としてお手伝いできること
当院では、症状評価・施術計画のご提案に加え、通院記録の整理や受診の目安もわかりやすくお伝えします。必要に応じて、連携医療機関・公的窓口の情報もご案内いたします。
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執筆者情報
執筆者:鍼灸整骨院ひまわり 代表施術者 堀江茂樹
株式会社ライフプラス 代表取締役/一般社団法人スポーツ ウェルビーイング推進協会 代表理事
免許・資格:JSBM会員/機能訓練指導員認定柔道整復師/柔道整復師/はり師/きゅう師/柔道整復師臨床実習指導者/あん摩マッサージ師・はり師・きゅう師臨床実習指導者
※本記事は一般的情報です。医療・法務の個別判断は、主治医・専門家・公的窓口へご相談ください。















