横須賀市の交通事故症状固定編②|記録、異議申立て、ADR、相談先の整理を解説
2022年12月3日

症状固定の意味と最初に確認すること
症状固定は、一般に、適切な通院を続けても大きな変化が見込みにくく、残った症状を今後どのように扱うか検討する段階を指します。症状が完全になくなったという意味ではありません。
まず確認したいのは、誰から、どのような説明を受けたかです。主治医から医療上の説明を受けたのか、保険会社から一括対応終了の予定を伝えられたのかによって、次に確認する相手が異なります。
連絡を受けた時の確認事項
- いつから一括対応が終了する予定か
- 終了理由は何か
- 主治医へ確認済みか
- 今後の通院費用はどのように扱われるか
- 後遺障害申請を検討する場合、何の書類が必要か
その場で結論を急がず、担当者名、日時、説明内容をメモし、主治医と保険会社へそれぞれ確認してください。示談書や免責証書への署名は、内容を理解してから行います。
症状、機能、生活の3つで整理する
症状固定後の説明を整理する時、鍼灸整骨院ひまわりでは、症状、機能、生活の3つの観点に分けて記録する方法をご案内しています。これは公的な認定基準ではなく、医師や相談先へ現在の状態を伝えやすくするための整理方法です。
症状
首の痛み、頭痛、しびれなどが、いつ、どの動きで、どの程度出るかを記録します。痛みの数字だけでなく、波や持続時間も伝えます。
機能
首を向ける範囲、握る力、歩行、腕を上げる動きなど、以前と比べて行いにくくなった動作を整理します。
生活
運転、仕事、家事、育児、睡眠などで困る場面を具体的に記録します。「つらい」だけでなく、「右を向けず車庫入れが難しい」など動作で伝えます。
残しておきたい記録と書類
記録は長文でなくても構いません。同じ項目を継続して残すことで、症状の変化と生活への影響を説明しやすくなります。
- 医療機関の受診日、検査、医師から受けた説明
- 整骨院の通院日と、その日に確認した症状や動作
- 保険会社の担当者名、連絡日時、質問と回答
- 欠勤、早退、家事や育児で助けが必要だった日
- 薬の変更や追加、症状が強くなったきっかけ
- 診断書、画像検査資料、診療報酬明細書などの保管場所
医療書類の必要性や取得方法は申請内容によって異なります。何を集めるか分からない場合は、保険会社、医療機関、弁護士などへ確認してください。
後遺障害診断書を医師へ相談する前の準備
事故後の症状が残り、後遺障害等級認定を検討する場合は、主治医へ後遺障害診断書について相談します。診断書を作成するか、どの内容を記載するかは医師の判断です。
受診時には、短時間で状態を伝えられるよう、症状、機能、生活の3つを1枚程度にまとめておくと説明しやすくなります。
医師へ伝える内容の例
- 事故直後から現在までの症状の経過
- 現在も残る痛み、しびれ、頭痛、めまい
- 首や関節の動かしにくさ、筋力低下
- 仕事、運転、睡眠、家事への具体的な支障
- 症状が強くなる動作と、休んだ時の変化
後遺障害診断書が作成されても、等級認定が保証されるわけではありません。認定は提出資料をもとに審査されます。
異議申立ての対象と流れ
異議申立ては、何に納得できないのかを分けることが重要です。保険会社からの一括対応終了への疑問と、自賠責保険の後遺障害等級認定結果への不服は、同じ手続きではありません。
一括対応終了について確認したい場合
終了理由、主治医の見解、今後の通院費用の扱いを保険会社へ確認します。必要に応じて、そんぽADRセンターや弁護士などへ相談します。
後遺障害等級の認定結果に不服がある場合
認定理由を確認し、追加できる新しい資料や不足している説明があるかを整理したうえで、異議申立てを検討します。結果通知や判断理由、異議申立ての案内は保険会社へ確認してください。
- 認定結果と判断理由を確認する
- 不足している資料や説明を整理する
- 医療機関、保険会社、弁護士などへ相談する
- 新たな資料がある場合は提出方法を確認する
- 提出後は結果通知を保管する
強い言葉で主張することより、前回の判断理由に対応する資料があるかを確認することが大切です。当院は異議申立書の作成や法的判断を行いません。
ADRと相談先の使い分け
ADRは、裁判以外の方法で紛争解決を支援する仕組みです。相談先ごとに対象が異なるため、現在の争点に合う窓口を選びます。
自賠責保険・共済紛争処理機構
自賠責保険・共済の支払判断に関する紛争を対象とする機関です。後遺障害等級、非該当、因果関係、休業損害などについて、対象になる場合があります。申請できるかは個別に確認が必要です。
交通事故紛争処理センター
自動車事故の損害賠償問題について、弁護士による法律相談、和解あっ旋、審査を行う機関です。利用できない事故や保険の種類もあるため、対象範囲を事前に確認します。
そんぽADRセンター
損害保険会社との相談、苦情、紛争解決を支援する窓口です。対象となる保険会社や手続きの範囲は、公式案内で確認します。
弁護士
示談内容、消滅時効、損害額、過失割合など、個別の法律判断が必要な場合の相談先です。弁護士費用特約がある場合は、利用条件を保険会社へ確認します。
症状固定後も通院を続けたい場合
症状固定や一括対応終了のあとも、身体の状態に応じて医療機関への受診やケアを続けることはあります。ただし、その費用が交通事故の補償対象になるか、自費や健康保険など別の扱いになるかは、個別の状況で異なります。
今後も通院が必要と感じる場合は、次の順番で確認してください。
- 主治医へ現在の症状と今後の通院について相談する
- 保険会社へ一括対応終了後の費用の扱いを確認する
- 整骨院への通院を希望する場合は、その扱いを保険会社へ伝える
- 自己判断で通院を中断せず、記録を残す
医療機関と整骨院の併診はできる場合がありますが、事故状況、医師の見解、保険契約、保険会社の確認により扱いが異なります。詳しくは、医療機関との併診・転院についてをご覧ください。
鍼灸整骨院ひまわりでできるサポート
鍼灸整骨院ひまわりでは、示談交渉、異議申立書の作成、後遺障害等級の判断は行いません。医療機関、保険会社、法律専門家の役割と分けて、次の内容をサポートします。
- 現在の痛み、可動域、しびれ、日常生活で困る動作の確認
- 通院日と施術内容を確認できる施術記録の整理
- 主治医や保険会社へ伝える確認事項の整理
- 医療機関との併診や紹介状についての案内
- 状態に応じた施術とセルフケアの提案
- 必要に応じた弁護士や公的相談窓口の案内
交通事故後の通院全体については、交通事故・むちうち専門施術、むちうち症状については、むちうち症も参考にしてください。
書籍で交通事故通院を整理する
「交通事故とむちうちの正しい通院ガイド」では、事故後の初動、医療機関との併診、記録の残し方、保険会社へ確認したいことを整理しています。書籍は一般的な情報整理を目的とし、個別の補償や認定を保証するものではありません。
関連ページ
参考情報
ご予約とご相談
症状固定について不安がある方は、主治医へ確認したいこと、保険会社へ質問したいこと、現在困っている動作を整理してご相談ください。当院が補償や等級を判断することはできませんが、通院記録と確認事項を一緒に整理します。
この記事は一般的な情報整理を目的としています。補償、認定、法的な手続きは事故状況や契約内容により異なります。個別の法律判断は弁護士などへご相談ください。
執筆者情報
執筆、監修、堀江茂樹
株式会社ライフプラス代表取締役。鍼灸整骨院ひまわり代表施術者。一般社団法人スポーツ&ウェルビーイング推進協会代表理事。
交通事故後のご相談では、身体の状態だけでなく、医療機関で確認したいこと、保険会社へ伝える順番、通院記録の残し方まで整理することを大切にしています。当院が示談交渉や等級判断を行うものではありません。
免許、資格、JSBM会員、機能訓練指導員認定柔道整復師、柔道整復師、はり師、きゅう師、柔道整復師臨床実習指導者、あん摩マッサージ師・はり師・きゅう師臨床実習指導者
よくある質問
- 交通事故後に症状固定と言われたら、通院はもうできませんか。
- 症状固定は治療の完全終了を意味しない場合があります。まずは医師の説明を確認し、残る症状と生活の支障を整理して、必要な通院計画を立て直すことが大切です。
- 症状固定で大事なポイントは何ですか。
- 症状の残り方、検査所見、生活への支障の3軸で整理することです。この3つが揃うほど、説明がブレにくくなります。
- 通院記録は短くても役に立ちますか。
- 役に立ちます。いつ、どの動きで、どんな症状が出たか、生活で困った場面は何かを短く残すだけでも、後の説明が具体的になります。
- どんな書類を準備しておくと安心ですか。
- 通院先と日付の記録、症状メモ、保険会社との連絡メモ、医師へ伝える要点の整理が基本です。必要書類の詳細は状況で変わるため、早めに確認すると安心です。
- 異議申立ては、何から始めれば良いですか。
- まず不足している点を言語化し、3軸で主張を整え、記録と書類で裏付ける順番がおすすめです。感情よりも再現できる説明が重要です。












