ぎっくり腰|最初の四十八時間の過ごし方

2025年11月9日

ぎっくり腰|最初の四十八時間の過ごし方

要点|三つに絞って理解

  • 最初の四十八時間は無理を避けつつ 完全な寝たきりは避けて 可能な範囲で小さく動きます
  • 熱感や腫れが強い間は短時間の冷却で痛みを整えます
  • 赤旗に当てはまる症状があれば 早めに評価を受けましょう

ぎっくり腰は 物を持ち上げた拍子や くしゃみなどをきっかけに急に強い痛みが出る状態です。最初の四十八時間は 焦らず痛みを鎮めながら 安全に動ける範囲を保つことが回復の近道になります。ここでは自宅でできる初期対応の流れをやさしく解説します。

はじめの二十四時間|痛みを鎮める準備

  1. 楽な体位を見つけます 仰向けで膝を立てる もしくは横向きで膝を軽く曲げるなど 痛みが和らぐ姿勢を選びます
  2. 短時間の冷却 熱感がある場合は 保冷材を布で包み 十五分ほどを目安に当てます 皮膚の状態を確認します
  3. 小さく動く 完全な寝たきりは避けて トイレや水分補給など できる範囲の移動を行います

次の二十四時間|小さな可動を取り戻す

  • 骨盤の前後運動 椅子に浅く座り 骨盤をゆっくり前と後ろへ各十回ほど動かします 痛みの出ない範囲で行います
  • 短い歩行 屋内で一分から三分の歩行を数回に分けて行います
  • 入浴は短時間から 強い熱感が落ち着いたら 短時間の温めで様子を見ます 体が冷えないように注意します

立ち上がりと寝返りのコツ

  • 寝返りは膝をそろえて横向きになり 腕で上体を支えながら起き上がります
  • 立ち上がりは足をやや広げ 上体を前へ傾けてから立ちます
  • くしゃみや咳の前は 片手でお腹を軽く押さえ 腰の反りやねじりを抑えます

避けたいこと

  • 長時間の同じ姿勢を続けること
  • 痛む方向への大きな前屈やねじりをいきなり繰り返すこと
  • 厚すぎるクッションで不安定な姿勢を作ること

受診の目安

  • 片脚の強いしびれや力の入りにくさが続くとき
  • 夜間に痛みが増して眠れないとき
  • 転倒や外傷後に強い痛みが続くときや 発熱があるとき

上の所見に当てはまる場合は 我慢せず早めの評価をご相談ください

参考と引用(一次情報)

  1. 日本整形外科学会 症状と病気 腰痛
  2. 厚生労働省 職場における腰痛予防対策指針 別添
  3. MINDS 腰痛診療ガイドライン 二〇一九 概要版

執筆者 鍼灸整骨院ひまわり

代表施術者 堀江茂樹 株式会社ライフプラス代表取締役

一般社団法人 スポーツ ウェルビーイング推進協会代表理事

免許・資格

  • JSBM会員
  • 機能訓練指導員認定柔道整復師
  • 柔道整復師
  • はり師
  • きゅう師
  • 柔道整復師臨床実習指導者
  • あん摩マッサージ師 はり師及びきゅう師臨床実習指導者

よくある質問

Q安静はどの程度まで必要ですか

A完全な寝たきりはおすすめしません。痛みが和らぐ姿勢で休みつつ 可能な範囲で短時間の移動を続けると回復しやすくなります。

Q入浴はいつ再開してよいですか

A強い熱感が落ち着いてから 短時間の入浴で様子を見ましょう。体が冷えないように保温と水分補給を意識してください。

Qコルセットは使ったほうがよいですか

A痛みが強い時期の一時的な使用は助けになりますが 常時の着用は筋力低下の原因になることがあります。痛みの変化を見ながら段階的に外していきましょう。