足裏の痛み 足底筋膜炎について

2022年10月20日

 

 

 

 

足底筋膜炎の基礎知識

30秒で要点
  • 典型例は朝の一歩目のかかと痛、長時間の立ち仕事や運動後に増悪しやすいです。
  • まずは活動量の調整とストレッチ、足底のテーピングや適切な靴が土台になります。
  • 足底板やインソールは補助的に活用し、徒手療法や運動と組み合わせて中長期の改善をめざします。
  • しびれや夜間痛が続く等は受診をご検討ください。当院から医療機関への紹介状も可能です。
公開︓2022-10-20/最終更新︓2025-09-29

どんな症状が多いか

  • 朝起きて最初の数歩が特につらい、歩くうちに少し和らぐことがあります。
  • かかとの内側や土踏まず付近の圧痛、長時間の立位や歩行後に痛みが戻りやすいです。
  • 足趾の使いにくさ、ふくらはぎの張りなどを伴うことがあります。

原因と悪化要因

足底筋膜は、弓の弦のように足のアーチを支える組織です。運動量の急増、長時間の立位、柔軟性低下や靴の不適合などが重なると、付着部に負担が集中して炎症が起きやすくなります。まずは負担の源を見つけて整えることが回復の近道です。

  • 活動量の急な増加や硬い床での長時間立位。
  • ふくらはぎの硬さや足趾の機能低下。
  • かかとが安定しない靴や摩耗した靴底の常用。
  • 扁平足や過回内など、足元のクセ。
受診の目安︓夜間も痛みで眠れない、強い腫れや熱感、しびれや力が入りにくい、外傷後に悪化する等は医療機関での評価をおすすめします。当院では必要に応じて紹介状をご用意いたします。

今日からできるセルフケア

  • 活動調整︓痛みが強い日は距離や時間を減らし、家事や練習を分割します。
  • ストレッチ︓ふくらはぎと足底のやさしい伸長を、呼吸に合わせて行います。反動は避けます。
  • 足底のセルフケア︓冷却や足底の軽いマッサージを短時間で。痛みが増す刺激は避けます。
  • 靴の見直し︓かかとが固定され、屈曲ポイントが母趾球付近にある靴を選びます。
  • テーピングや足底板︓短期の痛み軽減や再発予防の補助として検討します。
セルフケアだけで難しいと感じたら、評価にもとづく運動指導やテーピング、必要に応じてインソールの併用をご提案いたします。

当院での評価とサポート

  1. 評価︓痛みの部位、可動域、ふくらはぎや足趾の機能、姿勢と歩行を確認し、見通しをご説明します。
  2. 施術︓徒手療法で柔軟性と荷重のかかり方を整え、必要に応じてテーピングや物理刺激機器を併用します。
  3. 運動指導︓ふくらはぎの伸長、足趾の把持やショートフットなどを段階的に行います。
  4. インソール活用フォームソティックス・メディカルを評価にもとづき熱成形し、靴選びと合わせて運用します。
  5. 再発予防︓練習量の管理、フォームや生活動作の工夫をご提案します。

よくあるご質問

どれくらいで良くなりやすいですか。

個人差がありますが、活動調整とストレッチで数週間、運動指導や足底板の併用で数週間〜数か月の経過で変化を実感される方がいます。

インソールは必ず必要ですか。

必須ではありません。まずは教育と運動、テーピングなどの基礎を優先し、必要に応じて補助的に検討します。

運動をやめたほうが良いですか。

完全に止めるのではなく、痛みの増えない範囲で活動的安静を心がけます。強い痛みの日は休み、回復に合わせて段階的に戻します。

執筆者・監修情報

執筆︓鍼灸整骨院ひまわり 代表施術者 堀江 茂樹

株式会社ライフプラス代表取締役/一般社団法人スポーツ ウェルビーイング推進協会代表理事

【免許・資格】

  • JSBM会員
  • 機能訓練指導員認定柔道整復師
  • 柔道整復師
  • はり師
  • きゅう師
  • 柔道整復師臨床実習指導者
  • あん摩マッサージ師、はり師及びきゅう師臨床実習指導者

安全性とわかりやすさを大切に、評価・施術・運動指導・復帰設計まで一貫してサポートいたします。必要に応じて提携医療機関への紹介状もご用意します。

最終確認日︓2025-09-29

参考文献・一次情報

  1. JOSPT 2023 臨床実践ガイドライン(足底筋膜炎)︓教育、伸長、足底板や夜間副子の活用など推奨を整理。
  2. BJSM 2021 ベストプラクティスガイド︓コア治療はテーピング、ストレッチ、個別化された教育。
  3. Whittaker 2018 系統的レビュー(足底板)︓痛みと機能に対する効果を統合評価。
  4. BMJ 2012 超音波ガイド下注射 RCT︓短期の痛み軽減を示すが、反復や副作用に注意。

本記事は一般情報であり、個別の診断や治療に代わるものではありません。症状が続く場合は医療機関へご相談ください。

本記事は患者さま向けの一般的な情報です。個別の診断や治療方針は、症状や経過を踏まえ医療機関とご相談ください。