キックで股の痛みを抑える

2025年10月15日

キックで股の痛みを抑える

要点(30秒でわかる)

  • 股の痛みは内転筋・腸腰筋・鼠径部・恥骨周囲など原因が分かれます。まずは場所で見極めます。
  • フォームは体幹前傾を保ち、軸足安定+振り遅れを減らすと負担が下がります。
  • 復帰は等尺→補強(内転筋)→軽いインサイド→インステップの順で段階的に。
  • 予防は内転筋のエキセントリック強化(コペンハーゲン)が有効です。 
  • 夜間痛・一点の鋭い痛み・腫れ/熱・しびれは受診サインです(詳しくは下記)。

なぜキックで痛むの?

キックでは、踏み込み→振り上げ→インパクト→フォローの各局面で股関節まわりに大きな力がかかります。特に内転筋群(太ももの内側)腸腰筋(ももの付け根の前)鼠径部(いわゆる足のつけ根)は負担が集中しやすいです。国際合意(Doha分類)では、痛みを内転筋関連/腸腰筋関連/鼠径部関連/恥骨関連/股関節関連などに分けて考えると、対処が選びやすくなります。

セルフチェック(場所で見極める)

  • 内転筋関連:太もも内側〜恥骨に響く。膝を閉じる力(アダクター・スクイーズ)で痛い。
  • 腸腰筋関連:股の前がズキッ。片脚を前に振る・上げると痛い。 
  • 鼠径部関連:くしゃみ・方向転換で付け根が痛い。臍下〜鼠径靭帯部に圧痛。 
  • 恥骨関連:中央の骨(恥骨結合)周囲がうずく/押すと痛い。 

いずれも一点の鋭い痛み夜間痛・腫れ/熱が強い場合は無理をせず評価をご相談ください。

今日からできるフォーム調整

  • 軸足の安定:足幅をやや広く、膝が内に入らないように。体幹は軽い前傾で。
  • 振り遅れ対策:助走を短くし、ボールの横で踏み込む。インパクトは体の真ん中〜やや前。
  • 可動域の余裕:股関節の前(腸腰筋)と内転筋の反動なしストレッチを準備運動に追加。
  • 痛み基準:「痛みゼロ〜軽い違和感」内で調整。痛みが出たキック方向・距離をメモし、原因を絞ります。

走力づくりや坂ダッシュの入れ方は「坂道ダッシュでのすね痛を防ぐ」も参考になります(ブレーキ動作を減らすコツ)。

内転筋を守る補強(週2回目安)

  1. アダクター等尺:膝の間にボールやタオルを挟み、5秒×10回(痛みゼロ〜微痛)。
  2. コペンハーゲン(簡易):横向きで上の脚だけ椅子に乗せ、下の脚は軽く補助。8〜12回×2〜3セット。違和感が出たら即中止。 
  3. 腸腰筋リフト:仰向けで片膝を胸に引き寄せ5秒×10回。骨盤の傾きを保つ。

コペンハーゲン系の内転筋エキセントリック強化は、サッカー選手の鼠径部トラブル予防に有効と報告されています。

段階的復帰メニュー(目安)

  1. 歩行・ジョグ無痛→インサイド軽打ち(5〜10m)
  2. インステップ50〜70%(距離短め・本数少なめ)
  3. 方向転換+キック(ゲーム形式に近づける)
  4. 全力キック・実戦復帰(翌日に痛みが残らないことを確認)

違和感が出た日は一段階戻すのがコツです。モモ裏の管理は「モモ裏の肉離れ、やっていいこと・悪いこと」もあわせてご覧ください。

避けたいこと(悪化を防ぐために)

  • 痛みをごまかしての全力シュートや連日の試合形式
  • 反動の強いストレッチや長時間のアイシング(冷やし過ぎ)
  • 股関節が固いのに助走を長くして勢いで蹴る

受診のサイン(見逃したくない症状)

  • 夜間痛や安静時でもうずく痛み
  • 押すと一点が鋭く痛い、腫れや熱感がある
  • しびれ、力が入りにくい、股が引っかかる/鳴る
  • 2週間のセルフケアで改善が乏しい、復帰で毎回ぶり返す

必要に応じて医療機関での画像評価をご案内します。恥骨周囲や股関節の病態は専門的な評価が役立ちます。

当院のサポート(横須賀市の整骨院として)

①評価:痛みの場所・キック動作・股関節/骨盤の可動域をチェック。Doha分類に沿って方針を整理します。

②鎮痛:ハイボルテージ等で痛みを軽減し、皮膚保護と安全性を重視します。

③運動再学習:内転筋エキセントリック(コペンハーゲン)と腸腰筋の協調、体幹安定を中心に設計。

④再発予防:練習量・助走・着地の調整、シューズやグラウンド条件も含めて伴走します。

よくある質問

Q. ストレッチはいつから?
A. 痛みが落ち着いてからの反動なしストレッチが安全です。痛みがぶり返す場合は量を減らします。
Q. テーピングやサポーターは必要ですか?
A. 練習量が多い日や試合前の不安定感に役立つことがあります。皮膚休息をはさみ、締め過ぎに注意します。
Q. どのくらいで全力で蹴れますか?
A. 個人差がありますが、翌日に痛みが残らない範囲で段階的に距離・強度を上げるのが原則です。

ご予約・ご相談

北久里浜院

〒239-0807 神奈川県横須賀市根岸町3丁目1−6 125

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執筆者情報

執筆者:鍼灸整骨院ひまわり 代表施術者 堀江茂樹

株式会社ライフプラス代表取締役/一般社団法人スポーツ ウェルビーイング推進協会代表理事

免許・資格:JSBM会員/機能訓練指導員認定柔道整復師/柔道整復師/はり師/きゅう師/柔道整復師臨床実習指導者/あん摩マッサージ師・はり師・きゅう師臨床実習指導者

参考文献・一次情報

  1. Doha合意:アスリートの鼠径部痛の用語と定義(Weir 2015, BJSM)(分類と診察の枠組み)。
  2. Harøy 2019, BJSM:アダクター強化プログラム(コペンハーゲン)の予防効果 RCT
  3. Thorborg 2018, JOSPT:鼠径部痛の臨床評価・管理の実践。 
  4. Mosler 2015, BJSM:アダクター・スクイーズテストの意義。 
  5. Heijboer 2023, Scand J Med Sci Sports:Doha分類の検者間信頼性。 

免責とご注意

本記事は一般的な健康情報であり、個々の診断や治療を代替するものではありません。夜間痛・一点の鋭い痛み・腫れ/熱・しびれなどがある場合は、無理をせずご相談ください。

 

 

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