成長期のかかと痛を見極める
2025年10月16日
成長期のかかと痛を見極める
- 成長期のかかと痛はセーバー病(踵骨骨端炎)が最多です。運動後のかかと後方の痛みが典型です。
- 押して痛む場所と動かして痛む動作で見極めます(後述のセルフチェック)。
- やっていいこと:運動量の調整、ヒールカップ/ヒールリフト、ふくらはぎのやさしいストレッチ、短時間のアイシング。
- 避けたいこと:痛み我慢の全力プレー、裸足でのジャンプ、強すぎるマッサージ・反動ストレッチ。
- アキレス腱・ふくらはぎの不調が同時にあることも。アキレス腱炎の基礎もあわせてご覧ください。
まずは全体像:どんなときに疑う?
小中学生のランニング・ジャンプ系スポーツで、運動中〜運動後にかかとの後方(アキレス腱の付け根周囲)が痛む場合、セーバー病の可能性が高くなります。骨の成長に筋や腱の柔軟性が追いつかず、かかとの成長線(骨端核)に負担がかかることで起こります。片足だけのことも両足のこともありますが、左右まったく同じ強さで同時に出ることは多くありません。
セルフチェック(ご家庭での見極め)
- 圧痛の場所:かかと後方〜やや側面をつまむように押すと「イタッ」と響く(踵骨挟圧テスト)。
- つま先立ち:両足または片足のつま先立ちでかかと後方がズキッとする。
- 走る・ジャンプ:運動で痛みが増え、休むと落ち着く。
- 朝のこわばり:朝一番は少しこわばるが、温まると軽くなる。
これらが当てはまるときはセーバー病が疑われます。反対に、一点を押すと強烈に痛い/夜もズキズキ/腫れて熱い/発熱や赤みがある場合は、疲労骨折や感染など他の原因を考え、医療機関での評価が必要です。
似た症状との見分け方
| 病態 | 主な場所 | 特徴 | ヒント |
|---|---|---|---|
| セーバー病(踵骨骨端炎) | かかと後方〜側面 | つまむと痛い/運動で増悪 | ヒールカップ・運動量調整で軽くなりやすい |
| アキレス腱炎 | アキレス腱〜付着部 | 腱をつまむと痛い/踏み込みで痛い | 詳しいセルフチェック |
| 足底腱膜炎 | かかとの底(内側) | 朝の一歩がズキッ/長時間立位で増悪 | 土踏まずのサポートで軽減 |
| 疲労骨折 | 一点の強い圧痛 | 夜間痛あり/腫れ・熱感 | 画像評価が必要 |
坂トレーニングやスプリントの増量後に痛みが出た方は、関連ブログ「坂道ダッシュでのすね痛を防ぐ」も参考になります。
やっていいこと(安全なセルフケア)
- 運動量の調整:痛みが出るメニューを一段階落とし、ジョグやドリルなど低負荷へ一時的に切替えます。
- ヒールカップ/ヒールリフト:かかとへの衝撃とアキレス腱の引っ張りを軽減します。靴内の厚みと安定感を事前に確認します。
- ふくらはぎストレッチ:反動なしで20〜30秒×2回、痛みゼロ〜微痛の範囲で。入浴後がやりやすいです。
- アイシング:運動後にタオル越しで15〜20分を目安に。凍傷と冷やし過ぎに注意します。
- 靴の見直し:かかとがすり減った靴は交換。かかと周りがしっかりした一足を選びます。
ふくらはぎやアキレス腱のトラブルが続く方は、固定ページ「ふくらはぎ肉離れ」やブログ「治らないアキレス腱炎、断裂する前に」もご参照ください。
避けたいこと(悪化を防ぐために)
- 痛みをごまかしての全力ダッシュ・ジャンプ
- 裸足や薄底での硬い路面トレーニング
- 長時間の片足立ちや階段ダッシュの反復
- 強いマッサージや反動ストレッチ(炎症を助長)
受診のサイン(見逃したくない症状)
- 一点を押すと飛び上がるように痛い/夜間もズキズキする
- 腫れ・発赤・熱感が続く、発熱をともなう
- 歩行がつらい、つま先立ちができない
- 2週間のセルフケアでも改善が乏しい/スポーツ復帰で毎回ぶり返す
必要に応じて医療機関への紹介状を作成します。ご相談ください。
当院のサポート(横須賀市の整骨院として)
①評価:痛む場所・発生時期・練習量・靴の状態を丁寧に確認し、必要時は画像評価のご案内をします。
②鎮痛・保護:ハイボルテージ等で痛みの軽減を図り、ヒールカップ/テーピングの使い方をお伝えします。
③柔軟性・筋力:ふくらはぎ・足趾・股関節のバランスを整え、痛みがない範囲で段階的にトレーニングを再開します。
④再発予防:練習量のコントロール、路面選び、靴の交換サイクルまで含めて計画します。
よくある質問
- Q. 完治まで運動は完全休止ですか?
- A. 痛みが出ないメニューへ一時的に切替える「相対的安静」が現実的です。ジョグやドリル、上半身トレなどに置き換えましょう。
- Q. 中敷き(インソール)は効果がありますか?
- A. かかとの安定や衝撃軽減に役立つことがあります。既製のヒールカップから始め、必要に応じて調整をご提案します。
- Q. 温める/冷やすは?
- A. 熱感がある間は短時間の冷却、こわばりが主なら温めで循環を促します。どちらも短時間+皮膚保護が基本です。
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ご予約・ご相談
執筆者情報
執筆者:鍼灸整骨院ひまわり 代表施術者 堀江茂樹
株式会社ライフプラス代表取締役/一般社団法人スポーツ ウェルビーイング推進協会代表理事
免許・資格:JSBM会員/機能訓練指導員認定柔道整復師/柔道整復師/はり師/きゅう師/柔道整復師臨床実習指導者/あん摩マッサージ師・はり師・きゅう師臨床実習指導者
参考文献・一次情報
- AAOS OrthoInfo: Sever’s Disease
- NHS(NUH): Sever’s disease
- American Family Physician 2018: Heel Pain—Diagnosis and Management
- StatPearls 2024: Sever Disease(Calcaneal Apophysitis)
- BMJ Open 2023: Calcaneal apophysitisのリスク因子レビュー
本文の年齢目安・踵骨挟圧テスト・保存療法(活動調整/ヒールリフト/ストレッチ)・鑑別は、上記一次情報に基づいています。
免責とご注意
本記事は一般的な健康情報であり、個別の診断・治療を代替するものではありません。夜間痛・発熱・強い腫れ、一点の激痛や歩行困難などがある場合は早めにご相談ください。
