枕・寝具見直しで朝の肩こり対策

2025年12月5日

朝の肩こりと枕・寝具の見直し

要点

朝の肩こりは、枕の高さ・形寝姿勢・寝具で大きく変わります。首の自然なカーブを保てる枕を基準に、仰向けと横向きで高さの目安を切り替えます。入眠前はぬるめの入浴とゆっくり呼吸で、寝返りしやすい体の状態を作りましょう。

なぜ枕で肩こりが変わるのですか

首は、頭の重さを支えるために緩やかなカーブを持っています。枕が高すぎるとあごが引かれ過ぎて首の前側に張りが出やすく、低すぎるとあごが上がって首の後ろ側に負担がかかります。適切な高さは、寝姿勢と体格で変わるため、仰向けと横向きで目安を分けて考えると選びやすくなります。

仰向けと横向きの高さの目安

仰向けでは、あごが上がり過ぎず、口が自然に閉じやすい高さが目安です。横向きでは、鼻先と胸の中心が一直線になりやすい厚みにし、肩幅の分だけ高さを補ります。夜中に横向きが多い方は、やや高めを選ぶと首が傾きにくくなります。

素材の選び方 低反発は頭の沈み込みが大きく、寝返りが減りやすいことがあります。通気と戻りのよい素材や、高さ調整できるタイプを選ぶと、季節や体調の変化に合わせやすくなります。

マットレスと寝返りの関係

マットレスが柔らかすぎると体が沈み、寝返りが打ちにくくなります。硬すぎると接触面が痛くなり、肩がこわばることがあります。肩と骨盤が沈みすぎず、背中の自然なカーブを保てる「中程度の反発」を選び、枕の高さと一緒に調整します。前かがみ姿勢が長い方は、日中の整え方としてデスク環境の調整や、スマホ首の対策も合わせると効果が続きやすくなります。

入眠前ルーティンで整えます

就寝直前の高温長湯は避け、ぬるめの入浴を短時間にとどめます。布団に入ったら、四秒で吸って六〜八秒で吐くゆっくり呼吸を三〜五分。肩をすくめて下ろす、肩回しを小さく二〜三回行い、力みを抜いてから横になります。夜の過ごし方は、詳しくは冷え・自律神経の記事をご参照ください。

朝のこわばりを減らす寝姿勢のコツ

仰向けでは、肩がすくみにくいよう肘を軽く外に向けすぎない位置に置きます。横向きでは、上の脚の膝の間にクッションを挟むと骨盤が安定し、肩や首のねじれが減ります。起き上がるときは、横向きになって肘で支えながら体を起こすと、首への負担が少なくなります。

よくあるお悩みと解決の順番

「夜中に首が痛くて目が覚める」方は、まず枕の高さを一段階だけ下げるか、詰め物を一枚抜いてみます。朝に肩が張っている日は、短時間の温めと小さな可動から始め、日中は三十分ごとに一分の体位変換を続けましょう。やり方は温め・冷却の使い分けと、ストレッチのページが参考になります。

受診を急ぐサイン

突然の激しい頭痛、発熱や項部硬直、意識のぼんやり、会話の不自然さ、片側の強いしびれや筋力低下、歩行のふらつきが進む、夜間に増悪する強い痛み、視覚の異常がある場合は、早めの医療機関受診が必要です。全体の受診目安は、シリーズの肩こり総まとめでも確認できます。

基本の考え方は肩こりの原因と整え方へ。仕事中の工夫は眼精疲労頭痛を伴う肩こりも参考に。運動面はやさしい筋トレをご覧ください。

参考と引用(一次情報)

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針(二〇一四)」
  2. American Academy of Sleep Medicine「Healthy Sleep Habits」
  3. NHS inform「Sleep and mental health」

よくある質問

Q枕は高いほうがよいですか、低いほうがよいですか。

A首の自然なカーブが保てる高さが基準です。仰向けはあごが上がり過ぎない高さ、横向きは鼻先と胸の中心が一直線になる厚みを選びます。

Q朝に首や肩が重い日は、どう始めればよいですか。

A短時間の温めと、小さな可動を一往復から。日中は三十分ごとに一分の体位変換を続けると、こわばりがたまりにくくなります。

Qマットレスは硬いほうがよいですか、柔らかいほうがよいですか。

A肩と骨盤が沈みすぎず、背中のカーブを保てる中程度の反発が目安です。枕の高さとセットで調整してください。