むちうち症|受傷直後48時間の正解行動
2025年10月27日
むちうち症|受傷直後48時間の正解行動
交通事故や急停止で首がしなるとむちうち(外傷性頸部症候群/WAD)を生じます。
本稿は最初の48時間に何をすべきか、何を避けるべきかを簡潔に整理。赤旗と受診の目安もまとめました。
公開・更新:2025-11-01
まず要点(3行)
- 早期からのやさしい可動が回復を後押し。安静固定だけは長引きの原因に。
- 痛み0〜3/10内で「小さく・こまめに」動かし、24時間の反応で次の一手を決める。
- 頭痛・神経症状・強い首の正中圧痛など赤旗は速やかに医療機関へ。
WADの考え方(簡潔版)
むちうちは頸椎・筋膜・靱帯・関節包などの複合的な障害です。
症状は首肩の痛み・こわばり、可動域低下、頭痛、背部痛、時にしびれや集中困難など。
多くは保存療法で改善し、早期からの段階的活動再開が推奨されます。
受傷直後0〜48時間の正解行動
- 痛みの範囲で微小可動(1〜2時間おき)
- 座位で首の前後・左右・回旋を各5回、痛み0〜3/10で止める(反動なし)。
- 肩甲骨すくめ→下ろす、胸を軽く開くを各5回。
- 短時間の冷却(強い熱感がある時のみ)
- タオル越しに10〜15分、間隔を空けて繰り返す。凍傷に注意。
- 鎮痛の考え方
- 市販薬の使用は用法・用量を順守し、持病や服薬中の薬がある場合は医療者に相談。
- カラー(頸椎装具)は短期・最小限
- 医療者の指示がある場合に限り短時間。長期常用は筋力低下と可動性低下につながる。
- 痛み日誌で客観化
- 痛みスコア、可動域の感覚、頭痛・しびれの有無、睡眠の質をメモ。翌日の悪化がなければ活動を一段階増やす。
避けたいNG
- 完全安静の継続(数日以上)や首を強く固定し続けること。
- 強いストレッチや勢い任せの自動矯正。
- 長時間のうつむき姿勢(スマホ首)や同一姿勢の持続。
- 運転・高強度トレーニングなど、即時の安全が脅かされる活動。
姿勢・睡眠・日常のコツ
仕事復帰・運転再開の目安
- 仕事:痛み0〜3/10で業務中に増悪しない、可動域が実務に足りる、注意力が保てる。
- 運転:左右確認・後方視がスムーズ、緊急回避が可能、服薬の眠気がない。迷う時は医療者に相談。
- 段階的再開:短時間勤務→通常勤務/短距離運転→通常距離へ。
赤旗(ただちに受診)
- 激しい頭痛、嘔吐、意識消失の既往、けいれん。
- 手足のしびれ・脱力、歩行のふらつき、尿便の異常。
- 首の正中部の強い圧痛、高所転落・高速衝突など高エネルギー外傷。
- 抗凝固薬の内服、発熱や感染徴候。
上記に当てはまる場合は救急・整形外科・脳神経外科などで評価を受けましょう。
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よくある質問
頸椎カラーは使った方が良いですか?
医療者が必要と判断した場面で短時間・最小限に用います。漫然と長く使うと筋力・可動性の回復が遅れます。
温めるか冷やすか、どちらが正解?
受傷直後に熱感が強い時は短時間の冷却。熱感が引き、こわばりが主体なら短時間の保温が楽なことがあります。体の反応で選び、やり過ぎは避けましょう。
マッサージや強い矯正は受けて良い?
急性期の強刺激は悪化することがあります。まずはやさしい可動・姿勢調整・疼痛管理を優先し、必要時に段階的に切り替えます。
参考・出典(一次情報)
- NHS:Whiplash(自己管理と受診の目安)。
- NICE CKS:Neck pain – whiplash(初期対応と活動再開)。
- PM&R KnowledgeNow:Whiplash-Associated Disorders(WADの評価と管理)。
※個別の判断は対面評価に基づきます。重症が疑われる場合は医療機関を優先してください。
