座ると腰が痛い人のデスク対策

2025年11月2日

座ると腰が痛い人のデスク対策

要点|三つに絞って理解

  • 座位では椎間板への圧が上がりやすいため 骨盤が後ろへ倒れる姿勢を避ける
  • イスと机の高さ モニタ位置 こまめな体位変換で負担を下げる
  • しびれや夜間の増悪などの赤旗があれば早めに評価を受ける

長い時間の座位は腰への負担を蓄積しやすい。骨盤が後ろへ倒れる姿勢では背骨の配列が崩れやすく 痛みの再燃につながる。本稿ではイスと机の整え方 休憩の取り方 すぐ試せる工夫をまとめる。あわせて「反ると痛いか 前屈で痛いかの見分け」で自分のタイプも確認すると対策が立てやすい。

なぜ座ると痛むのか

座位では股関節が曲がりやすく 骨盤が後ろへ倒れやすい。その結果として背骨の配列が崩れ 椎間板や椎間関節に負荷が集中する。同じ姿勢の持続は筋膜の滑りを低下させ 痛みへつながる。朝の前屈がつらい人は「温めるか冷やすか」も参照。

イスと机のセッティング

  • 座面は膝の角度が直角付近となる高さに合わせる
  • 背もたれはわずかに後ろへ倒し 骨盤が立つ位置で支える
  • モニタの上辺が目の高さとなる位置へ調整する
  • キーボードは肘が直角付近で自然に置ける位置へ
  • 腰当てはベルトの少し上へ当てて 骨盤の後傾を防ぐ

車の運転が多い日は「運転で悪化する腰痛のシート調整と休憩設計」も参考に。

こまめな休憩の取り方

三十分ごとに立ち上がり 一分ほど骨盤の前後運動を行う。座ったままでも骨盤を前後へゆっくりと動かし 仙腸関節まわりのこわばりを和らげる。水分補給や軽い歩行も効果的である。「長引く腰痛の再発予防」のマイクロブレイクも併用する。

悪化を避ける動き方

  • イスから立つ時は足をやや広げ 上体を前へ入れてから立ち上がる
  • 前屈みの作業が続く場合は台の高さを見直す
  • 重い物は体へ近づけてから起立動作へ移る(詳しくは「荷物を持つと痛い」)

受診の目安

  • 片脚だけの強いしびれや力の入りにくさが続く
  • 夜間に痛みが強まり眠れない
  • 発熱や外傷後の強い痛みが続く

上の所見があれば早めに評価を受ける。必要があれば医療機関との連携を速やかに進める。赤旗の詳細は「腰痛の赤旗サイン」へ。

参考・引用(一次情報)

  1. 日本整形外科学会 症状と病気 腰痛
  2. 厚生労働省 職場における腰痛予防対策指針 別添
  3. MINDS 腰痛診療ガイドライン 二〇一九 概要版

執筆者 鍼灸整骨院ひまわり

代表施術者 堀江茂樹 株式会社ライフプラス代表取締役

一般社団法人 スポーツ ウェルビーイング推進協会代表理事

免許・資格

  • JSBM会員
  • 機能訓練指導員認定柔道整復師
  • 柔道整復師
  • はり師
  • きゅう師
  • 柔道整復師臨床実習指導者
  • あん摩マッサージ師、はり師及びきゅう師臨床実習指導者

よくある質問

Qイスの高さはどう決めれば良いですか

A膝の角度が直角付近となる高さに合わせます。足裏がしっかり床へ着くことも重要です。

Qどのくらいの間隔で休憩を取れば良いですか

A三十分ごとに立ち上がり 一分ほど体位を変えましょう。歩行や骨盤の前後運動が有効です(再発予防)。

Q夜に痛みが強まる時はどうすれば良いですか

A夜間の増悪は注意が必要です。上の受診の目安を参考に早めの評価をご相談ください(赤旗サイン)。