肩腱板損傷の症状と早期発見のポイント
2024年06月17日
腱板損傷:原因、症状、治療法について
腱板損傷とは
腱板損傷とは、肩関節を安定させるために重要な役割を果たす筋肉と腱が損傷する状態を指します。
腱板は、肩甲骨と上腕骨をつなぐインナーマッスルの一部であり、肩の動きを滑らかにするために不可欠な構造です。
腱板損傷の原因
腱板損傷の主な原因には、以下のようなものがあります。
- 加齢による変性:年齢とともに腱板の組織が弱くなり、断裂しやすくなります。
- 外傷:転倒やスポーツ活動中の急な動きで腱板が損傷することがあります。
- 繰り返しの使用:肩を頻繁に使うスポーツ選手や労働者に多く見られます。
たとえば、毎日テニスをする選手が、サーブの動作を繰り返すことで腱板に負担がかかり、損傷が生じることがあります。
腱板損傷の症状
腱板損傷の症状は多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。
- 痛み:肩の前面や側面に痛みを感じることが多く、特に夜間に悪化します。
- 可動域の制限:腕を上げたり後ろに回すことが難しくなることがあります。
- 筋力低下:肩の筋肉が弱くなり、重いものを持ち上げるのが難しくなります。
日常生活では、洗髪や背中に手を回す動作が困難になることが典型的な症状の一つです。
腱板損傷の治療法
腱板損傷の治療法には、保存療法と手術療法の二つがあります。
保存療法(手術以外の治療)
保存療法には、以下の方法が含まれます。
- 休息:肩の負担を減らすために、安静にすることが重要です。
- 理学療法:専門の理学療法士による運動療法やストレッチが効果的です。
- 薬物療法:痛みを和らげるために、鎮痛薬や抗炎症薬が使用されます。
- 注射療法:ヒアルロン酸やステロイドの注射が行われることもあります。
たとえば、肩を休めつつ、理学療法士の指導のもとで適切な運動を行うことで、筋力を維持しつつ回復を目指します。
手術療法
保存療法で改善しない場合や、損傷が重度の場合には手術が検討されます。手術には以下の方法があります。
- 関節鏡視下腱板修復術(ARCR):小さな切開を行い、関節鏡を使って損傷した腱板を修復します。
- この方法は侵襲が少なく、回復が早いのが特徴です。
術後のリハビリ
手術後のリハビリは、腱板の回復にとって非常に重要です。リハビリには、以下のステップがあります。
- 初期段階:手術後数週間は、肩の動きを制限し、軽いストレッチや運動を行います。
- 中期段階:徐々に運動量を増やし、筋力を回復させるためのエクササイズを行います。
- 後期段階:日常生活やスポーツ活動に復帰するための本格的なトレーニングを行います。
たとえば、初期段階では、肩の負担を軽減するために三角巾を使用し、軽いストレッチから始めます。
まとめ
腱板損傷は、肩の動きを制限し、痛みを引き起こす厄介な疾患です。
しかし、適切な治療とリハビリを行うことで、回復は可能です。症状に気づいたら早めに専門医の診察を受け、最適な治療法を選択しましょう。
肩の健康を維持するためには、無理な動きを避け、日常的なケアを心がけることが大切です。